ほんと学ばないなと思うけど、きちんと睡眠とると活力がめちゃくちゃ湧くなって思った週でした。
寝る前にスマホ開いたらぶん殴ってくる人雇いたい。
タイトル | 監督 | 視聴手段 |
---|---|---|
![]() | ダニエル・ミナハン | U-NEXT |
![]() | カーティス・ハンソン | U-NEXT |
![]() | ブラッド・バード | U-NEXT |
![]() | ロバート・ゼメキス | U-NEXT |
![]() | マイキー・アルフレッド | U-NEXT |
![]() | 鶴巻和哉 | U-NEXT |
![]() | ヨナス・ポヘール・ラスムセン | U-NEXT |
![]() | 鶴巻和哉 | U-NEXT |
ミッシング・チャイルド・ビデオテープ | 近藤亮太 | Amazonプライム |
![]() | 那須博之 | U-NEXT |
学校の怪談 | 平山秀幸 | 映画館 |
![]() | 藤田容介 | U-NEXT |
今週のシネマインプレッション
ミッシング・チャイルド・ビデオテープ面白かったなー
おそらく多くの視聴者のハイライトになったであろう民宿の息子の実話怪談的な語りがすばらしかった。
イシナガキクエ、飯沼での気持ち悪い部分にさらに磨きをかけて出してきた感じがあってニヤニヤしながら見てしまった。
全体を通して何度も写ったビデオテープの映像もイシナガキクエの時はアナログ放送に乗るはずの無いブロックノイズが乗ってて興ざめしたけど、ちゃんとパルスノイズになってて没入できたところもよかった。 様々な方向の怖さがサブリミナルのように散りばめられていて、見終わったあとに「あれって怖くね・・・?」とあとからじわじわ思い出すシーンがいくつもあった。
例えば死んだはずの敬太の父から新聞記者の美琴に「息子をよろしくお願いします」と電話がかかってきたシーンは、一見、死後の人物から連絡が来た怖さがある。だが、物語上で敬太は父への評価を「まるで父親を演じているようだった」と言及しており、ここに死してなお父親を演じ続ける不気味さが重なってくる。
というかこの物語での敬太って名前も怖いな。皮肉ともとれそうだし、敬虔さがあったから唯一帰ってこれた人物になったともとれる。
あとはこれも父関連だけど、物語後半で美琴の元にかかってきた電話。「お前、会いに行ったほうがいいんじゃないか」からとても人間ではないような発話で話すシーン。
舞城王太郎のホラー作品を思い出した。一行で恐怖に反転させるような鋭い切り返しほどではないけど、上司かと思ったら上司じゃないしなんなら人でもないってわかっていく過程が淵の王と通ずる怖さを感じた。
あとノージャンプスケアだったのも良かった。これは監督が予め告知していたので、びっくりさせられるシーンはないんだと安心して見れたし、その代わりネットリした湿度高めの怖さを堪能できたいい映画だった。
学校の怪談 Blu-ray発売記念上映会&舞台挨拶行ってきた
7月16日に学校の怪談全シリーズのBlu-ray発売を記念して、一作目の上映会+監督、脚本、主演のトークイベントがあったので行ってきました。
ちょっと思い出話をすると一作目の95年当時、僕は5歳でした。
流石に自我もあやふやだったろうし、親から見に行こうと連れられることもなかったため、劇場へは行きませんでした。
強烈に覚えているのは翌年の再放送を見て「こんな面白い作品見逃してたのか」「次回作は絶対映画見に行く」と強く思って、
2以降の作品は全て映画館へ連れて行ってもらいました。
なんとなく一作目を映画館で見ていないというのは自分の中で心残りというか。
そんな大げさなものではないけど、少し引っかかっていたんです。
そんな折、今回のイベントで念願の巨大スクリーンで堪能できて感無量でしたね。
学校の怪談を観るたびに思うのですが、この作品で旧校舎に閉じ込められ、妖怪が出て逃げ回っていたのは、終業式後の、まだ夏休みが始まっていない時間なんですよね。
ここがいい。夏休みを一日も犠牲にしていないという点が本当に素晴らしい。
で、ラストではそこから一晩開けた翌朝のシーンで旧校舎に向かって自己紹介して、さあこっから夏休み始まりだ!ってところで物語が終わるじゃないですか。
しかも暗転ではなく、動き出した子どもたちの映像を止める形で終わるんですよ。
これが年を取れば取るほど胸をギュッとさせる終わり方だなと思いますね。
この子達はあんなに濃い一日を経て夏休みを迎えるのか。
さぞ濃密な時間感覚を味わっているんだろうな、という羨望もあります。
今回MCを努めたタカハシヒョウリ氏が出演してるキラスタというラジオの7月2日放送回で学校の怪談の話をしていたんですけど、「毎年学校の怪談を見れば一発であの頃の自分に戻れる」と言っていて、まさにその体験をしたくて僕も毎年のように見てるなと思いました。
正直子供時代がそんなによかったとはあんまり思っていないし、途中から片親になったり夕飯とか休日の飯代を渡されてコンビニ弁当で過ごした日も結構あったので、境遇としては研輔に似た家庭環境だったなーとか思うんですけど、それでも不自由だけど全てが新鮮だったあの頃を思い出すとノスタルジックだけじゃ表わせられない心地よさを感じます。 だからこのシリーズが好きなんだなと改めて思いました。
毎年見てるので、今回はショットやカットを意識して見てみようと思って見ていて、改めて気づいたのは序盤で美夏が旧校舎に入ってトイレへ向かっていくシーンでほぼ真俯瞰のショットがあるんですよ。
そのショットの意図はよくわからないですが、毎年見てるのに意識すると「こんなショットあったっけ?」となるくらい目を引くシーンでした。
あとは今何が起きているのか?は非常にわかりやすく作られてるなと思いました。
視聴者を飽きさせず、それでいてくどくないカット割りは、トークイベント中に奥寺佐渡子氏が「丁寧だな」と評していたのと同じ感想を抱きました。
上映が終わるとトークイベントの準備が始まりました。
その後、MCの紹介で平山秀幸監督、主演の野村宏伸氏、脚本の奥寺佐渡子氏が登壇されました。
こういう映画舞台挨拶系のイベントに初めて行ったので、30年経ってるとはいえ映画に出てた人が20メートルくらい先にいる!ってめちゃくちゃ興奮しました。
作品愛満載のMCによる卒がない仕切りで30周年を迎えた心境、思い出などを掘り下げて話が進みました。
印象に残った話は子役をどういう基準で選んだのか聞かれた際に平山監督の「面接時におはようございますと入って来た子はあんまり受かってないと思う」「受かった子が将来すごい俳優さんになるとかならないとかは興味がない」「子ども達にとって夏休みの思い出くらいになればいいという気持ちだった」あたりの話です。
野村宏伸氏への演技指導もほとんどなかったという話からは、平山監督が生の演技やライブ感を重要視していたことが伺えました。
他には「撮影でコンピューターを使ったのは蝶々のシーンだけ。あとはスタッフが人力であらゆる撮影を行った。まるで運動会のようだった」と言っていて、これも驚きでした。どこがどうCGで撮影したのかもなとか特に思ってなかったですけど、それにしても蝶々のシーンだけか・・・マジすか・・・って感じです。
さらに、平山監督からはこんなエピソードも語られました。「メインのセットは一本の廊下と教室が一つ、そして2階へ上がる階段だけだったので、同じセットに見えないように美術には徹底的にこだわりました。撮影ごとに美術をすべて変更するのは非常に大変でした」と。
野村宏伸氏も「当時はお金に余裕があった」と話していたことから、こうした細部へのこだわりには相当な費用がかかっていたのでしょう。
Blu-rayでは、より鮮明になった美術にも注目できそうです。
あと学校の怪談の依頼が来た際に参考にした映画はトリュフォーの思春期だそうです。やはりガチガチのホラーというよりもジュブナイルを意識されたそうです。
この作品は記憶が正しければ淀川長治がオールタイムベストにあげていました。
ただ、サブスクにないんですよね。これを期にレンタルして見てみよう。
子どものセリフ回しが上手すぎるでおなじみの奥寺佐渡子氏が「貯金好き?という印象的なセリフはどうやって生まれたんですか?」と聞かれて「当時私も24、5歳で中身はほとんど子どもだったから何も考えずに出たセリフです」と答えていたのが意外でした。
とにかく時代に合わせた子どもたちのセリフ回しが上手い方なので、その時代時代に合わせたリサーチを入念に行って作ったセリフなんだろうと思っていましたが、天然の才能みたいです。
もっとこう、言葉を操る天才ってイメージだったので、質問の受け答えのたどたどしさも思ってた人物像と違うなという印象でした。
怒られるの覚悟で言うとほんとそのへんにいる普通のおばちゃんって感じでした。
それでも出てくる脚本は最高なので、そんなギャップがかっこいいです。
貯金好き?は殿堂入りとして、他にセリフがいいなと思ったシーンをあげると、まずは理科実験室での将太と人体骨格模型を抱えた研輔の会話。
「まじー?俺校長先生だったら、お前退学~」
「馬鹿だなーお前義務教育って知ってるか?」
「知ってるよー 義務の教育でしょー?」
義務教育はあんまりわかってないけど退学ってワードは知ってるんだという絶妙な解像度が好きですね。
それと近いシーンで将太がミサンガを無くしたシーンは改めて見るとすごい。
亜樹と香織が移動した後、男子たちは移動するかどうするか悩んでいて、シナリオ的には理科実験室に留まっていてほしい、そこでの妖怪達に驚かされてほしいという場面だと思うんです。
で、彼らを理科実験室へ留まらせる理由が「ミサンガなくなった」ですからね。
ミサンガって切れる以外で外れたり無くしたりすると運が悪くなったりするとされているんですけど、将太や研輔たちにはそのルールが頭から抜けてるくらいパニックになっているみたいで。
その後の人体模型が動いたりするのはミサンガを無くしたことで起こった不運ともとれるので、理科実験室でのバタバタはきれいにまとまってるなと思います。
あとはクマヒゲが消えた後に均が言ったセリフもかなり好きです。
「おおげさなんだよお前」
旧校舎を走り回る生徒の中では最年少の均。
彼の初手から後輩然とした態度を貫いてるのも面白いですし、そんな彼がマニフェストを掲げるような言い方で必死の主張するのが「いるよな、こういう子」と思わせるんですよね。
あとは将太の見事なブーメランセリフ
テレビとか大人から聞きかじった言葉を使うけど、完全に自分に返ってくるような使い方してるのが微笑ましいです。
後半食堂エレベーターのシーンでまさに研輔に似たようなこと言われてましたしね。
野村宏伸氏の印象に残ったものだと、続編を作るならの話で「もし作るなら現代ではなく、昭和とか。今みたいにスマホがない方が、いろんな話を作れそう」と言っていて、やっぱりそうですよねと思いました。
数年前に上映したゴーストブックおばけずかんでは舞台は現代でも迷い込む世界ではスマホは使えないというルールだったので、やっぱり他人とすぐ連絡が取れて、何でも調べられるものはなかなか扱いづらいんでしょう。
スマホがあっても面白い、ウェルメイドな作品も見たい気もしますが、それは学校の怪談じゃなくてもいい気がしますね。
野村宏伸氏は学校の怪談への印象が30年経ったからこそじんわり馴染んてきたような印象を受けました。
当時おそらくキャリア的にも絶頂期で大変忙しかったでしょうし、教師役もたくさんやったと言っていましたし。
それでも今回の上映会で「世代を超えて伝わっていく良さがあるので、もっと広めてほしい」というのもこれだけ時間が経ったから思えることなのかなと感じました。
終盤では平山監督が「学校の怪談シリーズ全作の同窓会とかやりたいですね」と嬉しいことを言ってくれて、またこういうイベントしてやってくれたらいいなと期待します。
もしくはBlu-ray box的なのが出た際の特典ディスクでも!
あとはこの学校の怪談というブームの火付け役となった常光徹氏もこの映画の話を聞きたいですね。
全員ご存命のうちにぜひ!
御三方にはもっといろいろ話してほしい!と思いましたが、あっという間にトークイベントは終了しました。
短い時間の中でネットの噂から多くの人が聞きたかったであろう質問、そしてもし続編があったら・・・?というifへの回答ももらえて非常に充実したトークイベントでした。
ほんと卒なくまとめてくれたMCの方お疲れ様でした。
余談ですが、この記事で取り上げたミッシング・チャイルド・ビデオテープの近藤亮太監督も見に来ていたようです。
Jホラーの系譜には学校の怪談の血も流れてるんだなと嬉しくなりました。
『学校の怪談』記念上映!!上映してた当時でもこんなに静まり返って観てなかったであろう凄い集中力で400人以上がフィルムの本編を見守る最高のイベント! pic.twitter.com/E1ahZQzzUr
— 近藤亮太 (@ryotakondofilm) July 6, 2025
あと学校の怪談2で稲葉杏子役の竹中夏海氏も上映会に来ていました。
平山監督と奥寺佐渡子氏とは実に29年ぶりの再会とのこと。
もし来年2の上映会があった際は登壇して子役目線からの話も聞きたいです。
『学校の怪談2』の撮影ぶりに平山監督と脚本の奥寺さんと野村宏伸さんにお会いできたー!
1〜2年前からふと「監督や奥寺さんに会いたいな…!?」と思い立ってインスタやってないかなー?(やってない)と検索してたので御三方とお会いできて本当に嬉しかったですお声がけ頂きありがとうございました🥹 https://t.co/604sWODMAq pic.twitter.com/g9MaghOIR7— 竹中夏海 (@tknkntm) July 6, 2025
さらにこれは上映会とは関係ないんですけど、映画館へ向かう途中で芸人兼YouTuberのジャガモンド斉藤さんを見かけて思わず声かけました。
同じ90年生まれで学校の怪談好きを公言していたので、当然上映会行くもんだと思って「目的は同じっす」の体で持ってきたテケテケのソフビを見せたら、「あー僕これからライブなんで行けないんですよ」と言われてしまい「そんな馬鹿な・・・」と心のなかで驚いて大した反応もできずなんか嫌味なことしてしまったなと反省しました。すみません!